店舗のディスプレイを成功させるポイントとコツ|効果的な陳列方法とは » 横浜ディスプレイミュージアム | アーティフィシャルフラワー・造花の販売・卸販売

店舗のディスプレイを成功させるポイントとコツ|効果的な陳列方法とは

投稿日:2024年7月23日 | 最終更新日:2024年8月20日

 

店舗のディスプレイは商品の陳列・配列において、美しく飾ること以上の大切な役割があるのはご存じでしょうか。
それは、ディスプレイを通じてお客様の購買意欲を最大限引き出すことです。
人間は五感を通じて受け取る情報は、83%が視覚からの情報だといわれています。『産業教育機器システム便覧』(教育機器編集委員会編 日科技連出版社1972)
統一感のある色使いやスタイリングは、お店の個性を強調し、お客様に強い印象を与え、見る人を惹きつけることができます。この記事では、店舗ディスプレイを成功させる基本的なポイントとコツ。
そして店舗装飾のプロショップ横浜ディスプレイミュージアムが制作した効果的なディスプレイ実例を交えて解説します。
店舗ディスプレイの基本を知り、売場づくりのご参考にしてみてください。

 

店舗ディスプレイの目的とは

店舗のディスプレイを整える目的は、商品を魅力的に見せることでお客様の購買意欲を引き出すことです。具体的には、商品の特性や魅力を最大限に引き立て、お客様が商品に興味を持ち、試してみたいと思うようにすることが大切です。
また、上手なディスプレイはお客様が快適にショッピングできる環境を演出し、店舗全体の雰囲気づくりにも役立ちます。これらの要素が組み合わさることで、最終的には商品の販売促進へとつながり、「商品が手に取りやすい」「買い物が楽しい」と感じさせるお店となるのです。

 

これだけは押さえる!店舗ディスプレイにおける7つの基本的考え方

お店に訪れたお客様の購買意欲を最大限に引き出す店舗のディスプレイについて、基本的な考え方を解説します。

 

①清潔感と伝えたいメッセージの明確化

まずは店舗の清掃から始め、清潔感を保つことが重要です。また、伝えたいメッセージが明確な店舗ディスプレイは、それだけでお客様を引きつけます。
そのためには、各売場ディスプレイの主軸がぶれてはいけません。
伝えたいメッセージはコンセプトであったり新商品であったりと様々ですが、ターゲットとなるお客様の属性やライフスタイルなどを意識して考えることが大切です。売場を制作する前にターゲットとなるお客様のペルソナやデモグラフィックを設定し、明確化することでより販促効果の高い売場ディスプレイとなります。
まずは、店内を清潔にすることから始め、商品の強み、お客様が求めていることを考えることから始めてみましょう。

 

②テーマの統一感とグルーピング

伝えたいメッセージが決まったら、テーマに合わせて売場の統一感を保つことに目を向けてみましょう。
イメージやスタイルの一貫性は、商品の見やすさや居心地の良さを高め、お客様の購買意欲を搔き立てます。反対に、テーマが設定されていない売場は、お客様が商品に興味をもつきっかけが少なく、どんなに良い商品を陳列していたとしても、足を止めて実際に商品を手に取ってもらえる可能性は下がってしまうでしょう。
まずは素材やテイスト、規則性のある陳列ライン、物量とリズムなど、いろいろな角度から統一感を意識して売場を制作してみてください。また、関連する商品を一緒に陳列するグルーピングという方法も効果的です。
グルーピングされた売場は、商品がどこにあるかがわかりやすく、お客様のストレスは軽減されて、より快適にショッピングを楽しむことができます。

 

③フェイシングで陳列の見やすさを意識する

商品のパッケージやラベルをお客様側に向けてディスプレイする手法をフェイシングといいます。フェイシングでは、基本的には売れ筋商品を広い面積で陳列し、売れ行きの悪い商品は少なめに陳列します。売れ筋商品を多く並べることで、注目を集めやすく、お客様は商品を選びやすくなります。

 

④配色が人間に与える心理的効果を考える

配色によって売場の印象はガラッと変わり、店内全体の雰囲気を左右するとても重要な要素になります。
ディスプレイの配色を選ぶときには、色相環を参考にすると良いでしょう。

色相環上で隣接する色を使用すると、統一感が強まり、落ち着いた雰囲気の売場を作り出すことができます。
逆に、色相環上で対立する色を選ぶと、目を引く売場を表現することができます。
配色で与える効果を正しく理解して、店舗のディスプレイに役立ててみましょう。

 

⑤最適な顧客導線を考える

顧客導線とは入店したお客様の動きを線にして表したものです。
売上向上の重要な要素で一般的にお客様の店内滞在時間や歩行距離が長くなればなるほど、売上アップにつながるとされています。
まずは、入りやすい店舗であることが大事です。
初めて訪れるお客様にとっては、楽しくショッピングができそうなお店なのかどうかはとくに重要なポイントになってきます。
外から店内を見渡すことができ、スムーズに行き来できる開放的で入りやすい入り口であることが求められます。
また、各通路の突き当りや店内奥までの導線上にマグネットポイント(MP)を設置するのも効果的です。思わず奥まで進みたくなるようなお客様の目を引く陳列を心がけましょう。
POPやポスター、商品を大量に陳列して大きく見せるなど、売場の導線を工夫してみてください。

 

⑥陳列にアクセントをつけて視覚でアピールする

商品の陳列が単調だと、お客様に新商品や店側が打ち出したい商品に目を留めてもらいにくくなります。
そんなときは、陳列にアクセントをつけてみてください。
方法としては、POPを使用したり、同じ棚でも一部の商品を台の上に配置して視線を引いてみたり、他の商品よりも少し前方に出すなどして、陳列に動きを加えてみましょう。
こうすることで、売場にはメリハリがつき、商品の見せ方に変化が生まれます。

 

⑦商品イメージやお店のコンセプトに合わせて陳列量を調整する

魅力的な店舗ディスプレイにおいて、商品や店舗のイメージやコンセプトに応じて、陳列量を調整することはとても重要です。多くの商品を陳列すると活気がある印象を与え、ここには「売れている商品が揃っているのだな」と映ります。一方で、アイテム数が多いと選択肢が増えて選びにくい、雑多な印象に受け取られることもあります。
そんなときは、商品間のスペースを調整する「スペーシング」を活用してみましょう。たとえば、陳列量をあえて抑え、商品ごとに間隔を空けるとエレガントで高級感のある雰囲気を演出することができます。
売場の陳列余白を上手にコントロールして、商品イメージやお店のコンセプトに合った最適な売場ディスプレイを作るように心がけましょう。

 

訴求力の高い店舗ディスプレイの基本構成とコツ

店舗のディスプレイに注目を集めるためには、商品や装飾品を空間に効果的に配置していくことが大事です。ここでは店舗ディスプレイの基本構成を4つご紹介します。

 

三角(トライアングル)構成

三角(トライアングル)構成は、ディスプレイ装飾やインテリア配置などの基本陳列手法の一つです。
この手法では、商品や演出小物、POPなど装飾全体を三角形型に陳列し、まとめることで視覚的なバランスと注目度を高めることができます。
具体的には、中心に背の高いアイテムを配置し、その両隣に真ん中に置いたものより背の低いアイテムを配置するようにします。三角形の頂点がちょうど中心にくるようなイメージで作ると見栄えも良い売場ディスプレイが完成します。

 

シンメトリー構成

シンメトリー構成は、縦の中心線を境に商品を左右対称に並べる陳列方法です。
人間の脳は対称性を好む傾向があり、対称的なパターンや形状は脳が処理しやすく、情報の整理や認識に役立つとされています。
店舗のディスプレイといった場面でも商品に対して自然と好印象を持つといわれています。
三角(トライアングル)構成と組み合わせて活用することも多く、上手に活用すればより効果的な売場ディスプレイが叶います。

 

アシンメトリー構成

アシンメトリー構成は、均整の取れたシンメトリー構成とは対照的なディスプレイ手法です。商品や関連アイテムを左右不均等に展示することで、見る人に新鮮で活動的な印象を与えることができます。
この陳列方法は、独創性を重視するブティックや、洗練されたイメージを求める高級ブランド店において多く活用されているディスプレイ手法です。
とくに、商品の特徴を際立たせたい場合や店舗の個性を全面に出したいときなどに適しています。

 

リピート(リピテーション)構成

リピート構成とは、同一または似た商品を方向と間隔を統一して配置する陳列手法です。
遠くからでも視認性が高いため、店舗の入り口付近、壁面や柱まわりの高いところなどに設置すると、入店を促し、店舗の奥まで自然と誘導することができます。MP(マグネットポイント)としての活用も有効的です。
商品との接点が増えることで、売上アップにつながるといわれています。

 

「売れる」陳列を叶えるために抑えておきたいポイント

お客様の注目を集める店舗のディスプレイが完成したら、「売れる」陳列のポイントを並行して考えていきましょう。
陳列の中でもとくに重要なのは、商品配置の工夫とゴールデンラインの活用、そしてジャンブル陳列を有効的に活用することです。

 

商品の配置の工夫とゴールデンラインを活用する

商品の配置は、種類や大きさなどに合わせて最適な場所を選ぶことが大事です。
たとえば、売れ筋商品の間に、思うように売上を伸ばせていない商品を挟み込んでみましょう。売れ筋商品に視線が集まると、左右の商品も自然と注目され売上が伸びることがあります。
売れ筋商品を中心に、上下左右の商品選定を工夫してみてください。

もう一つは、ゴールデンラインの活用です。
ゴールデンラインとは、陳列棚(ゴンドラ)の商品陳列において、もっとも注目されやすく、商品を手に取りやすい場所を指します。
什器陳列における売上の8割はゴールデンラインに集中するともいわれていて、それはターゲットの目線の高さや、商品を置く什器の種類などで最適なゴールデンラインは変わってきます。

一般的には床から75㎝~135㎝の範囲を指すことが多いといわれています。

 

セール品やお得商品は投げ込み(ジャンブル)が効果的

大きなケースやワゴン、ときにはショッピングカートなどに商品を雑多に集めることを、「投げ込み」または「ジャンブル」と呼びます。
投げ込みは「まとめて〇円均一」や「商品入れ替えにつき売り尽くし」などと表示される場合が多く、セール品やお得な商品の陳列に向いています。

 

店舗ディスプレイに使えるアイテムを紹介

店舗のディスプレイでは、陳列棚(ゴンドラ)以外にも活用できる様々なアイテムがあります。
遠くのお客様の目を引くためのもの、実際に手に取ってもらうためのものなど、
アイテムは状況によって最適なものを使い分ける必要があります。
ここでは代表的な店舗ディスプレイアイテムをご紹介します。

 

什器

什器は商品を整然と展示するための基本的なアイテムで、棚やラック、ワゴンなどは什器の一種です。
什器の形状やサイズ、配置によって、商品の見せ方や店舗の雰囲気を大きく変えることができます。耐久性が強く移動しやすい什器は、頻繁に配置を変える店舗ディスプレイでとても重宝します。
また、ディスプレイのテーマによって什器を使い分けることも大事です。
商品をより目立たせたい場合は、シンプルなデザインで簡素な什器が適しています。
一方、什器もディスプレイのモチーフとして取り入れる場合は、個性的なデザイン、カラーの什器を選ぶようにしましょう。

個性的な什器やアイテムは以下の記事で詳しく紹介しています。

 

季節の演出にはフラワーやグリーンを取り入れてより華やかに

季節を連想させる色や、イベントにちなんだアイテムを上手に活用することで「売れる」店舗ディスプレイに一歩近づくことができます。
とくに、フラワーやグリーンといった植物はシーズンモチーフにも使いやすく、定番の店舗ディスプレイアイテムとなっています。
たとえば、春には桜やたんぽぽ、夏にはひまわりやダリアといったフラワーを使い、取り入れた植物から連想する色をテーマカラーにしてディスプレイを構成することでより季節を感じられる売場ディスプレイを作ることができます。
シーズン商品を打ち出す際は、フラワーやグリーンをぜひ取り入れてみてください。

 

春に最適の装飾アイテム

 

夏に最適の装飾アイテム

 

秋に最適の装飾アイテム

 

冬に最適の装飾アイテム

 

まずはやってみよう!店舗ディスプレイまとめ

★店舗ディスプレイの目的は販売促進。「商品が手に取りやすい」「買い物が楽しい」と感じさせるお店を目指す

★7つの考え方は重要!①清潔感②メッセージの明確化③フェイシング④配色⑤顧客導線⑥陳列アクセント⑦陳列量の調整を考えましょう

★ディスプレイの基本構成「三角」「シンメトリー」「アシンメトリー」「リピート」の作り方と特徴を理解して売場に反映させてみよう

★店舗ディスプレイは季節演出が簡単な「フラワー」や「グリーン」アイテムを選ぶと効果的

 

適切に制作された店舗のディスプレイは集客力を高め、売上を大きく左右する有効的な施策となります。
陳列面の拡大やゴールデンラインの活用、三角(トライアングル)構成やシンメトリー構成など商品配置の工夫で店舗のディスプレイを見直してみましょう。

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