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世界最大級の花マーケット ランジス市場
投稿日:2024年3月11日 | 最終更新日:2024年4月5日
パリの台所 ランジス市場を見学!
ランジス市場はパリ郊外に位置し世界最大級の中央市場として知られ、パリの台所とも呼ばれています。
生鮮食品のパビリオンの一角に生花や資材エリアがあり、ヨーロッパ中からフローリストたちが集まります。
特にパリ市内からは40分程の距離にあるので、パリで活躍するフローリストの方々は必ずと言っていいほどこちらを利用しているそうです。
今回、フランスで活躍するフローリストの岡本文子さんをご紹介いただき、岡本さんにご案内いただきながらランジス市場を見学することが叶いました。
フローリストが集まる生花・鉢物エリア
日本と同様に海外輸入のお花が並ぶ一方で、地元の生産者さんたちが出品するコーナーもあります。
この日は完売してしまったようで見られませんでしたが、パリ近郊からはどんな花が出品されるのか気になります。
いろんな色がランダムに入ったおまかせパックのようです。
モンステラリーフの価格表。
フランスでも冬の時期はミモザが人気のようです。この日はイタリアから入荷していました。
日本の市場とは大きく異なるのかと思いきや、基本的な流れは日本と一緒のようです。
生花、鉢物、資材と分かれ、問屋さんごとに特徴のある品揃えがあることも同じです。
大きく違うのはそのスケール感!
一つの町がそのまま花市場になったような広さで、問屋さんの建物の広さも日本とは比べ物にならない規模。
全体を見て回るのも一苦労です。行き慣れた人は好みの問屋さんだけを見てさっと帰ることも多いようです。
プランターも特大サイズ!
こんな大きさでは植え込みが大変そう……
鉢物コーナーには柑橘類がたくさんあります。
観葉植物は日本での品揃えと大きく違いはありませんでした。
ベンジャミンやドラセナ、オーガスタなどの定番が並んでいます。
こちらは日本の庭木でおなじみのヤツデ。プライスカードにJaponicaと書いてあります。
テラリウムも置いてました。
各問屋さんの特色がおもしろい資材館エリア
続いて資材館エリアへ向かいます。
こちらも問屋さんごとに建物が分かれており、広いため建物ごとの移動は車です。
バレンタイン前なので資材やデコレーショングッズがかなり豊富!バレンタイン関連の資材はフランスの方が充実しているように感じます。
くまちゃんのぬいぐるみやプリザーブドのローズ1輪パックがおすすめ品のようです。
オアシスもビッグサイズ!何もかもスケールが大きく圧倒されます。
奥へ進むと造花売場もありました!
どんな造花があるのかなと期待しながら進むと・・・
意外にもクオリティはまずまず……といった印象。
ラインナップもローズやラナンキュラス、ガーベラなど定番中の定番フラワーが多く、新しさは感じず。
横浜ディスプレイミュージアムで販売しているような、細かいグラデーションや加工のものはほとんどありませんでした。
一方で、問屋さんの中でのディスプレイ提案が日本よりしっかりされており使用事例やアイデアを見ながらその場で買い付けできることが良いなと感じました。
ディスプレイはメンテナンスも行き届いており、シーズンごとに入れ替えていることがうかがえます。
こちらは別の資材問屋さん。
ここでもアーティフィシャルフラワーを一部取り扱っています。
ウッド素材のベースやスタンドが充実。
セールのポップが駐車禁止の標識みたい……
横浜ディスプレイミュージアムでも扱いのあるヴェルディッシモのプリザーブドフラワーがありました。
ヴェルディッシモはここ、フランス・パリで誕生したブランドなんです。
ラッピング売場では、フローリストの方がリボンの仕入れ中の様子。
忙しそうに資材を集めている姿を見かけました。
パリのマダムの中ではお稽古事がブームのよう。
最近はブーケレッスンやアレンジなどのレッスンが人気を集めているそうです。
続いて別の資材館へ。
こちらの問屋さんはブロカント品を扱っています。
映画のセットに出てきそうな家具やお皿がたくさん!
椅子やテーブル、ミラーにポスターアート、トランク、ドアや自転車なども。
素敵すぎて市場にいることを忘れてしまいそう!
レトロな電話機もあります。
お皿がとてもかわいい~!思わず仕入れしたくなりました。
横浜ディスプレイミュージアムでも販売できたらいいなと思うものばかり。
輸送手段などの関係で今回は断念しましたが、こんなビンテージアイテムがあればディスプレイの幅がもっと広がりそう……
とてもわくわくさせられる魅力的な資材問屋さんでした。
ランジス市場まとめ
このように資材部は問屋さんごとに大きく品揃えが異なります。
それぞれに特徴があり、陳列やディスプレイ方法も様々で得られる情報量が多いなと感じました。
ただ、以前より面白みのある生花や資材が減ってきてしまっているそうです。
どうしても売れるものに流れてしまい、各社同じような商品が増えてしまっているのかもしれません。そのため、フランスのフローリストの方々はメゾン・エ・オブジェなどで新しい商材や花器などを探すのだそう。
ランジス市場の見学はフランスの花市場やディスプレイ商材の流れが垣間見える貴重な機会となりました。
一方で日本の商品の良さに気づく場面もありました。
フランスのマーケットや他海外マーケットへ日本らしい商材、空間演出方法、さらに言えば横浜ディスプレイミュージアムが提案する日本スタイルを展開していけたらと考えると夢が膨らみます。